News & Column

ワインの風味(香りと味)その5

ワインに含まれるミネラルはたったの2%未満。これがテロワールを表現する最たる要素にしては少な過ぎないか。

その答は意外にも、テレビ番組の中にあった。世界遺産としてのボルドー市街全体の特集であった。

その中でのワイン造りの場面でのひとコマ。
多品種のワインをブレンドして作り上げるワイン。その味わいは、品種のブレンドに終わらず、プレスワインの混合割合にまでこだわる。しかし、その加えるプレスワインの量は、1.5%。
これで味わいが充分に変化するのか疑ったが、結果は合格。「2009年のワインはこのブレンドで行く」との当主の決断。

1.5%は決して微量ではなく、重大な要素であると思い知った。

テロワールを表現する2%未満のミネラルは2%もの割合を占めているのだと。
店主 那須




ワインの風味(香りと味)その4

 アンリ・ボワイヨのワインセミナーに出掛けました。
クレマン・ドゥ・ブルゴーニュの素晴らしさにも驚きましたが、氏のミランダージュに対する思考にはまさに我が意を得たという感でした。
「出来れば毎年でもあって欲しいもの」「でもそれは気候次第」「神のみぞ知るところ」という氏の言葉は、その結果出来上がった2007年ヴォルネイ・フレミエとともに小生の溜飲を文字通り下げてくれました。
まもなくそのワインは弊店に到着します。ひと月の休息を得て後、若いながらも、その風味を皆様にも召し上って頂きたい逸品です。 店主 那須


南山ワイン倶楽部2

 来る8月14日(土)13時より南山ワイン倶楽部の発足会を開きます。皆様のご参加をお待ち致しております。

会 費:\7,000-(美味しいワインと軽いおつまみ)

テ ー マ:初回につき、これからの楽しみかた等についてフリーディスカッション。

会 場:ルマルタンペシュール
名古屋市千種区小松町6-15
052-733-3373

参加資格:南山大学・短大・南山学園に在学またはを卒業をされた方はどなたでも。

主 催:ルマルタンペシュール店主 那須 亮 76E215 


ワインの風味(香りと味)その3

古いブドウの樹、それも一般的に35年以上を過ぎたものは古木と呼ばれ、ワインに生まれかわった後もその真価を発揮するためには60年以上の樹齢が必要といわれる。

ではその特徴とは何か?

ワインに生まれかわった時にはっきりと現れる風味。

それは若い樹では生まれない。

複雑さ。

余韻の長さ。

人にたとえれば円熟の極み。

その答えは、土の中。
店主 那須


ワインの風味(香りと味)その2

 ワインの風味(香りと味わい)には流行がある。

最近流行の薄旨ブルゴーニュもそのひとつ。

アンリ・ジャイエ(故人)というブルゴーニュワインの造り手が存在した。

彼の80年代以降のワイン造りには一貫した造り方が見られる。

「ミルランダージュ」(一般的には未熟成果実の収穫を指す)といわれる状態でブドウを収穫をすることにより、三大要素(糖・酸・タンニン)のバランス中、過剰な糖と果皮の色素の増加と一方で酸の減少を避け、比較的酸の含有割合の多い果汁を得ることが出来る。

この果汁から(恣意的な高温及び過度の低温発酵を施さず)造られるワインの色調は若いうちから(当然紫の色調はみうけられるものの)比較的淡い。

ここで若いVOSNE-ROMANEEを例えると。

香りは決して高くは香らない。またアメリカンダークチェリーやダージリンティーのような強いものではない。

むしろ佐藤錦のような柔らかく清楚な香り。それが若さゆえの微かな樽の香りに加え、熟成を経なければ生まれない筈の薔薇「カトリーヌドヌーヴ」(桃色の薔薇)の香りに伴われて液面から静に立ち上る。

味わいは若いくせに果汁の凝縮感とは程遠い。ただ印象的な旨味と緊張感を持ったしなやかな酸が、ほつれかけてしまいそうなタンニンとせめぎあう。そして、思いかけぬ圧倒的な量のミネラル(カルシュウムとシリカ)を口蓋と味蕾に残して行く。

風味(香りと味わい)の余韻はその長さを測ることすら忘れさせる。 

フィネス(洗練された高貴なバランス)とはこのようなワインにこそ相応しい言葉かもしれない。 店主 那須


ワインと音楽(その4)

 コンサートの聴衆をワイン周辺に例える前に、ワインと音楽の一般的なとらえ方の違いを見てみたい。

ワインは文化であると説かれることがある。確かに歴史の積み重ねの結果を文化とするならば、それに違いない。

しかし、アルコール飲料であることから、五感だけで理解できない何か得体の知れない刹那的で享楽的なものを含むとも考えられるため、文化としての本質を備えているか否かも問われるところである。

文化としての真贋、それはワインに関わる我々の姿勢にも根ざすものだ。

音楽、ワイン双方の世界にコンクールなるものが存在する。
それらは、能動的に出場(出品)する演奏者(モノ)の価値を有識者によって評価するものである。

しかし、受動的に評価される場合がある。
音楽の場合なら、ジャケットに掲載されている論評であり、TV番組等で放送される解説である。

ワインももちろん評価される。ワインジャーナリストと評する人々によって。

しかし、ここには大きな違いがある。
音楽とくにクラシックの論評において、作曲家やその曲目、また指揮者や演奏者それぞれに点数をつけて評価することは決してない。

ワインはどうか。既知のとおりである。

嗜好品でありアルコール飲料であるから、点数をつけて評価しようとするのか。

クラシック音楽ほど格調高くないと思われるからか。

ワインは文化であると説く人々の真贋を問いたい。 店主 那須 


ワインと音楽(その3)

 今度はワインをコンサートの構成から例えると、テロワール(風土)は楽曲、ブドウ品種はそれぞれの楽器、それをまとめる演奏者や指揮者はオノログ(ワインメーカー)、そして、それを楽しむ我々が聴衆といった感じです。
美味しいワインを造る古木はさしづめ「ストラディヴァリウス」か「スタンウェイ」、卓越した技術を持つオノログは、超絶技巧を使いこなす「チャイコフスキーコンクール」優勝者なんてところですが、聴衆としての我々は一体どう例えればよいのでしょうか。


ワインと音楽(その2)

 ワインはその要素(フェノール類、糖、酸、アルコール、エキス分)の特性やバランスによりに個性が生まれます。
若い赤ワインの場合は遊離状態のフェノール類(タンニン)が多く存在し、渋さが強調されます。そして時間経過(熟成)により、フェノール類(タンニン)が澱となり、渋さが緩和され、調和のとれたバランスの良いワインとなります。
若くて渋いワインはピアノ協奏曲、熟成したワインは交響曲と言えるかも知れません。 店主 那須


ワインと音楽(その1)

 今年はショパン生誕200年、クラシック音楽ファンの間ではかなり盛り上がってる様子です。 
さて、またまた例えるシリーズ。今回はワインを音楽に例えるという大それたテーマです。
先ずはシャンパンから始めましょう。
一般的なブリュットのタイプ、これは例えれば、モーツァルトのシンフォニー。その軽快かつ華麗な響きは、これ以外には例えられない感じ。
そしてまた、別の見方、シャンパンを構成する品種を、曲を構成する楽器に例えてしまうと・・・・・ピノ・ノワールはヴァイオリンに、シャルドネならクラリネット若しくはフルートに、ピノムニエはヴィオラ若しくはチェロにと言った調子。
しかし、軽快かつ華麗な響きが信条のブリュットシャンパンも最近はドサージュが目立つ間延びしたものも目に付きます。それはまるでカラヤン指揮のレガート多用のモーツァルトのように思えて・・・・・(生意気過ぎました。反省します)。
店主 那須


南山ワイン倶楽部

小生の母校である南山大学。
たまたま同窓のお客様達から、同窓生もしくは在学中で成人を迎えた方々が集い、ワインをはば広く、かつ深く楽しむ会を作ろうというお話がありました。

今までにない面白いワインの集い。これはぜひ実現したいと思い、先ずは会の名前を決めました。

その名も「南山ワイン倶楽部」。

少し大袈裟ながら、学園のモットー「人間の尊厳のために」にもとって、ワインを単なるアルコール飲料としてではなく、またワインそれ自体の知識追求に終わらない集い。

それは、ワインを包括する文化(芸術・音楽・歴史・科学・食)を、『ワインと一緒に丸ごと飲んで楽しもう』。
そんな集いです。

ご興味のある同窓生の方は、ぜひご参加下さい。

ご連絡はinfo@lemartin.jpまで。
店主 那須


News & Column

店舗

ルマルタンペシュール

〒464-0853
名古屋市千種区小松町6-15
TEL:052-733-3373

フランス料理とワインのルマルタンペシュールは「旬の和と洋の素材」をフレンチで仕立て、寄り添うワインとともに皆さまのお越しをお待ちいたしております。
●休日 日曜 第1•2•3月曜
●ランチ
11:30〜14:30(前日迄のご予約)
●ディナー
18時〜22時30分(ラストオーダー21時)
●バー
20時30分〜24時(ラストオーダー23時)

ご予約・お問い合わせは
TEL:052-733-3373