News & Column
テタンジェ・パーティー
今月初めに行われたクラブ・テタンジェは、当主エマニュエル・テタンジェが初来名ということもあり、参加者も60名を超える盛大なパーティーになりました。
ご本人は訪問したホテルの目の前にある名古屋城天守閣に甚く興味をもたれたようで、次回はぜひ家族で訪れたいとの事。
名古屋ファンが一人増えて何よりです。
さて、パーティー内容は、河文別館の料理もさることながら、テタンジェのアイテムが勢ぞろい。
ブリュットから始まりミレジメ2004、マルケトリー、コント・ド・シャンパーニュ1998、コント・ド・シャンパーニュ・ロゼ1999、ノクターンの6種類。
タップリ満喫した上に、今回は調子に乗って何とクイーン「ソノミン」とのツーショット「写真」もゲット。
鼻の下伸びっぱなしの一夜でした。
整いました。
ソノミンと掛けてテタンジェと解く
どちらも、繊細な美しさで、華やかな場所には欠かせません。
今回調子に乗りすぎました。(反省)
ワインの陰陽
先日の南山ワイン倶楽部での音楽とワインの組み合わせにて、「短調と赤ワイン、長調と白ワインがより良い感覚が生まれる」と書きました。
陰と陽は短調と長調。ならば、赤ワインと白ワインは陰と陽なのか? しかし、そう短絡的には行きません。
赤白それぞれ陰と陽のタイプをその中に持っています。このことから、実は短調の曲に合う白ワインもあり、それが陰の白ワインであるということです。
では、陰陽の判別は如何に?
それは、ワインの特徴の七割を占めると言ってもいい、香りに含まれる要素をもとにします。
この続きは、近日再会の弊店の催事「クラブ・マルタン」にて明らかになります。 乞うご期待! 店主 那須
自然派ワイン
自然派ワインはビオ臭があって苦手と言う声を耳にする。
ビオ臭とは一体何なのか。
還元臭を指すのか。それともブレット酵母によるものを指すのか。
ビオ臭という言葉は注意する必要がある。
ビオディナミ、ビオロジックという概念と混同するからだ。
そもそも、上記の二つの概念はぶどう畑内での概念であって、醸造とは直接の関係は無い。
ブドウ栽培とワイン醸造は区別して考えなければならない。
このことからも、ビオ臭という言葉は使用されてはならない単語と考えられる。
美味しい美しい香のビオディナミやビオロジックのワインは幾らでもあり、いつでも我々を幸福にしてくれる。
醸造過程におけるSO2は芝居でいえば、まさに黒子・名脇役なのである。
南山ワイン倶楽部3(開催後記)
「ワインの尊厳のために」と銘打った南山ワイン倶楽部、
その発足を兼ねた第1回目は皆様のおかげで無事に開催できました。 テーマは生誕200年を記念してショパンのピアノ曲とワインのマリアージュを楽しむというものです。
グリュナー・フェルトリナーから始まり、アルザス・リースリング、ソミュール・シャンピニーと続き、盛り上がったところでサンテミリオンのシャトー カデ・ピオーラ1995と「幻想即興曲」、「革命」とのマリアージュ。
一方、料理にもジョルジュサンドと過ごしたノアンでの好物、鶏のブランケットを提供し、締めくくりはポーランドのズブロッカを使った西瓜のシャーベットとミュスカ・ドゥ・ボーム・ドゥ・ヴニーズのハーモニーで締めくくりました。
参加された方の中からも、『今まで考えなかった「音」と「味覚・嗅覚」(ワイン)の組み合わせが、存在することに驚いた』との感想を頂き、これからの倶楽部のテーマがますます楽しみになりました。
未参加の方でご興味のある方は是非お問い合わせ下さい。
皆様の参加を心よりお待ちいたしております。 店主 那須
奈良遷都1300年に思う
日本を代表するブドウ「甲州」種はそのDNAから、醸造用種のVitis Viniferaに属する。
奈良時代、僧行基によって中国から、そしてその源流をたどればシルクロードの西域より遥々もたらされた「種」が諸国に伝播した。
その後、平安末期の雨宮勘外由、江戸初期の永田徳本等の労を経て、現在では山梨県がその要となっている。
仏教伝来とともに数々のブドウが渡来した中、京都の「聚楽」は既になく。長野善光寺の「竜眼」は僅かに生き延びている。
1300年後の今日では、奈良の都で造られることのなかった「ブドウの酒」が甲州で醸され、シルクロードを遡り、生まれ故郷の彼の地「EU」に輸出されている。
シルクロードという当時のブロードバンドは現代と比べ、その生命を運ぶ力においてはるかに優っていたことは疑いない。
今夜は、よく冷えた甲州と剣先にマヨネーズでお疲れ様です。 店主 那須
ワインの風味(香りと味)その6
ボージョレイが今面白い。
ヌーボーブームもやや落ち着きを見せた昨シーズン。
ガメイの世界で、伝統にもとずいた本格的なワイン造りが注目され始めている。
それまでの工業製品化したワインから、本来の農産物としてワインを位置づけ、根底にあり最も重要なブドウ栽培から見つめ直す。
自然との調和の中のブドウ栽培。大切にする事、愛情をもって育てる事は決して過保護であってはならない。その意味からビオ・ディナミに沿った農事の実践は好適と言える。
しかし、昨今のビオ・ディナミ礼賛の中で、天体の運行に合わせて農事を行う事をややもすると「宗教的」と評する向きもある。
しかし、人間主体の世界観を自然主体に切り替えると、面白いように謎が解ける。
例えば、ワインを瓶詰めするのは何時がいいのか、これは月の満ち引きが答えを出してくれる。
また、かつての我が国の暦こそは、天体の運行に合わせ農事を司る際に最も頼りとするものであった。
人は満ち潮に生まれ、引き潮に死んで行く。このことが人間は天体の運行の中、広く言えば宇宙(自然)の中のひとつの生命体であることの証であり、この様な天体との関連付けが即宗教に結びつくものではない。
それは、むしろ自然の摂理であり、我々人間は自然の中の一員として自然の中で自然に自然なモノを造りまた自然に還すべきなのである。
600年程の昔、コート・ドールから消滅させられたガメイが今本当の意味でのルネッサンスをボージョレイで迎えようとしている。
店主 那須