News & Column

11周年を迎えて

 2011年、ルマルタンペシュールは11才になりました。

店主の趣味であるバードウオッチングにちなんだ鳥の名前「かわせみ」のフランス語「ルマルタンペシュール」を店名に選びワインバーとして開業したのがちょうど2000年。

当時としてはめずらしい和陶器に盛るおつまみフランス料理をお箸でという斬新な形でスタート。

ところが、どうした訳か次第にワインバーからフランス料理のお店へと料理も接客も替っていったのです。

そして、料理とワインの組み合わせの素晴らしさをを一品づつグラスで楽しんでいただきたいという思いも重なり、ひと味違った展開が始まりました。

その頃は、何人もの調理の方たちや接客の方たち、そして素晴らしいお客様に支えられ、楽しく充実した店作りが進んだのです。まさに、あっと言う間に10年近い時間が過ぎていきました。

しかし、一昨年には折からの不況を受け、コンパクトな形に営業を変えざるを得ませんでした。店主が料理を受け持ち、接客の方と助け合いながらの二人三脚の店作りです。

そのモットーは

11年前のワインバーとして始めた「かわせみ」「ルマルタンペシュール」の初心にもどる。

「和陶器に盛る日本の四季を生かしたフランス料理」と「多彩なグラスワインの組み合わせ」の楽しさ・美味しさを見つめ直す。

そして五感を満たすような素晴らし時間と空間をお客様とのコミュニケーションを通して、創り出すこと。

少し欲張り過ぎかもしれませんが、

「中年?よ大志を抱け」の精神でこれからも明るく楽しく続けていきたいと思います。 店主 那須


日本の旬をワインと楽しむ その3

コブシの花は満開を迎え、早咲きの桜もほころびはじめました。 

春にふさわしいワイン、こんどは白ワインのおすすめ。

山菜や筍、土筆、独活などの新しい息吹の野菜には、ミネラルタップリで酸も豊かなワインがおすすめ。

ロワールのシュナンブランやアルザスのミュスカ、リースリング、ピノグリ、オーストリアのグリュナー・フェルトリナーなど。

ゲヴルツトラミネールも悪くありませんが、余韻の苦味が素材と同調していっそう増してしまいます。

でも良い召し上がりかたがひとつ、花の下でデザートワインとして桜の香りと一緒に楽しんでみてはいかがでしょう。

なかなかイケますよ。


日本の旬をワインと楽しむ その2

 人の世に災禍をもたらした自然はその陰惨さとは裏腹にいつもとかわらぬ春をもたらす。

翻弄されるのではなく、来る春を心からそれぞれの在りかたで楽しみたい。

春のお勧めワイン。

イヴォン メトラスのフルーリー。

クロ ルジェアールのソミュール・シャンピニー。

ロマノー デストゥゼ ガメイ ラ ストゥロンヌ。

すべて赤ワイン、シューマンの幻想曲やドゥヴィッシーの
アラベスクあたりと合わせて。

お店でグラスでお楽しみいただけます。






東北関東大震災を悼む

戦後未曾有の地震と津波の犠牲になられた方々に深く哀悼の辞を捧げます。

いまだ原発の危機は続き、生活ラインの復旧にも時間を要するようです。

自然の中での人間の弱さをみせつけられた今回の震災。

自然の驚異、本当の力を思い知らされた観があります。

もう一度自然と人間の係わり合いを考え直す良い機会かもしれません。

人間の際限のない幸福感「我欲」の只中にある自分自身を我々一人一人が自覚し、生命とは何かいう根低から問題意識を持ち、真の幸福とは何かを時空を越えた立場で再認識するときではないでしょうか。

人間はやはり、裸の猿でしかない。

けれど理性をそなえている猿なのだ。

自然とともに在り和して生きることこそ人間らしさではないか。

もう一度自然とのありかたを見直し、さらに発展進化してこそ人間らしい。


ワインの鉄人その1

オープン以来続けてきたクラブマルタンのひとつとして、大人のワイン講座シーズン2を「ワインの鉄人」として開催した。店主もブラインドで臨む容赦のないテイスティング。さらに、店主がハズシタときは、グランヴァンを開けるというオマケつき。

ヒントは新聞紙に包まれた白、赤のワインのシェイプと、1本のワインが平均で希望小売価格\18,000-ということ。
(しかし、出題者の手違いで2本で希望小売価格\18,000-の結果で、スタッグスリープCask23をあけることになる)。

もっとも、「鉄人」といっても当てること、勝ち負けだけがその真の目的ではない。

より効率的・効果的なテイスティング方法を介することにより、個人の主観的ワイン情報を一般的ワイン言語に変換すること(たとえば「青海苔」の香りが「木苺」に置換されるということ)がその求めるところ。

白はカリフォルニアでボーカステルがつくるルーサンヌ主体のビオディナミ、天然酵母のワイン。

誰もがフランスのシャルドネの1級畑以上を考えました。
店主は、直感でエルミタージュ白と感じたものの、最後まで間違った価格のヒントの影響で、悩んだ末、ジャンマルクボワイヨのピュリニー1級と解答。

しかし、回答者のほとんどは、カリンやカンゾウの香りをノートには表記しており、身体での感じ方は正常なのに、頭で間違った方向にいってしまったという結果。

赤 深いガーネット、エッジに若さを表わす紫が顕著。
カシスの香りが強い。胡椒などのスパイスやグアヴァが香る。滑らかなタンニンはクラスを感じさせる。タンニンの絶対量以外はすでにバランスの良さを提示し、凝縮感は強いものの飲み頃の域にある。

回答者の中でカリフォルニアのワインと答えたかたが一人。
さすがに「ワイン鉄人」シリーズと感心。

店主は5分の延長を主張の末、迷った挙句グアヴァの香りが酸化して白桃の香りに変わったところを頼りに、カベルネブレンドにカルメメールの加わったチリのエラスリス、チャドウィック2007と回答。

無念の敗退。スタッグスリープ CASK23 1992を味わうことで一件落着。

次回5月まで臥薪嘗胆と相成った。 店主 那須


酵母

天然酵母を使うワインが増える中、遺伝子組み換えの酵母が話題を呼んでいる。

その名はML01、報道によればカナダ政府はこの酵母の悪酔い(二日酔い)を起こさない特徴を認定した。

二日酔いの原因とされる要素のひとつがアルデヒド。この生成の減少という意味だろうか。

今までにも数々の酵母が生み出されてきたが、今回の遺伝子組み換えはその副産物の存在も気がかりなところだ。

やはり、天然酵母にまさるものはないかも。 店主 那須


料理とワインその1

 ホワイトアスパラや白タンポポの季節到来。

野菜と相性の良いワインの筆頭はなんといってもミュスカ。
アルザスの辛口ミュスカは野菜のミネラルに優しく寄り添い、けっして苦味を出さない。

岩塩とオレンジピールのパウダーを程よくつけた白アスパラのボイルとは最高の組み合わせだ。

すこしクラシックなムースリーヌソースとはロワールの辛口シュナンブランが良い伴侶。白アスパラの旨味を生かしながらその酸味でソースと上手に円舞。

ソミュールやヴーヴレイも良いが、ジャスニエールもお勧めだ。より繊細なタッチの酸味やミネラルが野菜に好かれやすい、そんな感じ。

それにしても白タンポポは難しい。ただいま研究中です。 店主 那須


日本のワインその2

CENTURYという名のワインがセラーの仲間入りをしてから約三ヶ月、ようやく輸送のショックからバランスを取り戻した。

待ちかねたテイスティングの時機到来だ。

2008年という日本のヴィンテージは特別の良作年ではない。しかし、この年はサントリー登美の丘ワイナリーにとって、かの有名なシャトー・ラフィットを所有するドメーヌ・バロン・ド・ロートシルトとの提携25周年を記念する大切な年だ。ラフィットと登美の丘のコラボによって、日本のブドウを使った最高のワインがつくられた。

そのできたての若いワインの現在を確かめ、未来の姿を占ってみる。

驚くほど輝くガーネット。艶、厚みともに素晴らしい。

心地よく決して強すぎないタルや、クロスグリ、チェリー、そしてゼラニウムの花が香る。

味わいは、酸・ミネラル・果実のバランスがとれ、タンニンもこなれたなめらかさをみせ、すでにハーモニーが感じられる。

余韻の長さは、とても2008年の若いワインとは思えない。香り、味どちらも予想をこえて遥かにつづく。

日本のブドウで最高のワインをつくる思いはその品種選びにもみられる。ボルドーの品種カベルネ・ソーヴィニョン33%
プティベルド33%、メルロ28%に加えて日本で開発された品種マスカット・ベーリーA3%、ブラッククイーン3%がアクセントとして使われているからだ。 

「伝統的なボルドースタイルの中に日本らしさを求めたエレガントなワイン」というコンセプト通りの素晴らしいワインである。

あと6〜7年の後、この貴婦人はその熟成のピークを迎える。 店主 那須 



能とワイン

 観世会の名古屋公演を久しぶりに観た。

「秘せば花」のとおり、単純化による、主題の観念化とその強調は、単調な形式化に陥る可能性はあるものの、芸術的装飾美と音に支えられた舞台空間は、視聴覚に徒な暇をあたえることなく緊張した三次元を創造し、呆気なく昇華する。

アンコールがない故の永い余韻。

飲み頃をほんの少しだけ過ぎたボルドーワインを開けたくなった。 店主那須


Chateau Lynch Bages 1975

久々にランシュバージュの機会を得た。

格付け5級でありながら、スーパーセカンドと並ぶ評価を得たのは遥か昔の話。

しかし、1975には香りこそ量的・質的な表現の豊かさには欠けるものの、味わいにはポイヤックらしい仄かでアンニュイな気だるさをも感じさせる甘さがある。

それは、真水に砂糖を溶かし込んだときに感じるような甘さ。ほんの少しだけミルクの風味さえもつたわってくる。

1980〜1990代の逞しく力みなぎるランシュバージュには、このポイヤックらしさの象徴である不思議な甘さはあまり感じられない。

テロワールと年毎の数え切れない偶然がもたらす葡萄の酒のそれぞれに、感性でしか捉えられない何か普遍なものがあるのだろうか。

確かなことは、ポイヤックの葡萄の酒には仄かでアンニュイな気だるさをも感じさせる甘さがあること。

そうだラフィットを開けよう。 店主那須


News & Column

店舗

ルマルタンペシュール

〒464-0853
名古屋市千種区小松町6-15
TEL:052-733-3373

フランス料理とワインのルマルタンペシュールは「旬の和と洋の素材」をフレンチで仕立て、寄り添うワインとともに皆さまのお越しをお待ちいたしております。
●休日 日曜 第1•2•3月曜
●ランチ
11:30〜14:30(前日迄のご予約)
●ディナー
18時〜22時30分(ラストオーダー21時)
●バー
20時30分〜24時(ラストオーダー23時)

ご予約・お問い合わせは
TEL:052-733-3373