奈良遷都1300年に思う
日本を代表するブドウ「甲州」種はそのDNAから、醸造用種のVitis Viniferaに属する。
奈良時代、僧行基によって中国から、そしてその源流をたどればシルクロードの西域より遥々もたらされた「種」が諸国に伝播した。
その後、平安末期の雨宮勘外由、江戸初期の永田徳本等の労を経て、現在では山梨県がその要となっている。
仏教伝来とともに数々のブドウが渡来した中、京都の「聚楽」は既になく。長野善光寺の「竜眼」は僅かに生き延びている。
1300年後の今日では、奈良の都で造られることのなかった「ブドウの酒」が甲州で醸され、シルクロードを遡り、生まれ故郷の彼の地「EU」に輸出されている。
シルクロードという当時のブロードバンドは現代と比べ、その生命を運ぶ力においてはるかに優っていたことは疑いない。
今夜は、よく冷えた甲州と剣先にマヨネーズでお疲れ様です。 店主 那須