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ワインの風味(香りと味)その1

 ワインの香りや味わいを何かに例えて表現するのは、一般的に難しいものです。それは、表現が身近に無いもの、たとえばカシスとかラズベリーとか、外国語表現でかつあまり馴染みの無いものにたとえる例が多いからでしょう。トリュフと言われても「?」という感じです。
これに対するお勉強の道具はあります。ル・ネ・ド・ヴァンという54種類の香りのセットです。しかし、とても高価なのと、アルコール抽出が多いため、本物の香りとは、差異があります。 
やはり、できるだけ自然の本物の香りを知ることが大切です。
そこで、弊店がバータイムにお出ししているのは、そんな悩みを解決する、ワインの香りと味わいに合わせたドライフルーツやフレッシュフルーツ、ハーヴです。(たまにはトリュフが登場したこともあり) ぜひ一度お試し下さい。 店主 那須


ワインは水(2)

 ワインも水も液体には違いありません。そして、ワインもその70%以上が水であれば、見方を変えると、色と香りと味の付いた水の一種と言えます。
ずいぶん前になりますが、水のブラインドテイスティングを試したことがあります。ボルヴィック、エヴィアン、コントレックス、ヴァルヴェール、水道水。かなりの差があり、ほぼ見(味)分けがつきました。
しかし、この時、グラスに注いだものと、ペットから直接ラッパのみしたものとの違いに気づきました。それは「余韻の長さ」と「粒子の密度」でした。
この事をワインに試したのは、今から十年ほど前の事。グラスに上から注いだものと、静に壁を伝わせて注いだもの。
「若いワインはデキャンタに高い位置から注げば開きます」と先輩ソムリエの談があったが・・・・・。
ワインと比べてその他の構成要素の少ないミネラルウオーターですら・・・・・ましてワインとなれば・・・・・。
違いは歴然。小生は愕然、当たり前の事ながら、やはりワインは水と同じ液体に他ならないと確信した訳です。
後日この話をある日本酒醸造家にした際、「それは、当然です。私達も醸造用アルコールを使用する場合がありますが、購入して到着後、ひと月は静置しないと荒くて使えませんヨ」。
この言葉に、真に我が意を得たり、それから、ワインは静に注ぐに限ると決めました。 店主 那須


人物をワインに例える(その3)

 安藤美姫選手 例えるのがなかなか難しい方です。その容貌がエキゾチックなのに加え、現在は公式ホームページも休止中です。内外両面が把握できないと上手くワインに例えられませんと言い訳をしながらも・・・・・。やはり赤、ピノノワール、エキゾチックなところは、スパイスとグッとくるミネラル(特に鉄分)が豊なワイン。カリフォルニアを代表するワイン、カレラ・ジャンセン2006年あたりかと。その深いルビーの色調は彼女の情熱を表現し、その香りは彼女のこれからの開花を象徴するように、ゆっくりと、濃密に立ち上ってきます。 理想的な良い条件のセラーでの熟成で、香り・味わいともに複雑さが備わり、2014年には完全と言って良い調和を表現できる素晴らしいワインになるに違いありません。 店主 那須


ワインは水(1)

 ワインの源は黒海及びチグリス・ユーフラテス河周辺に遡ります。そこに住まう砂漠の民の言わば「水」代わりでした。
羊のローストと、果皮もそのまま含まれた渋い赤ワインは脂分をタンニンで中和するという意味で、自然発生の誠に理にかなったマリアージュでした。
ヨーロッパ及び中東の肉食文化では、この起源から、ワインは食事とともにある「水」と言っても過言ではありません。
ウイスキーやブランデー、ジン等と言った酔う為の蒸留酒とは全く異なる、食事とともにある水代わりのお酒と言うことが出来ます。
現在ではワインの飲酒量が低下しているフランスですが、1ℓの水(ミネラルウォーター)とワインの価格を比べると、安価なテーブルワインより、はるかにミネラルウォーターのほうが高いということがこの事をよく表しています。
それにしても、ワインの源のはずのチグリス・ユーフラテス河周辺の現在の国イラクでは、その宗教の為、ワインが全く飲まれていないと言うのは、皮肉なものです。 店主 那須


グラスとワインの関係(その3)

 これまでお話したグラスとワインの関係も、極まる処、舌のどの部分にどんな速度でワインを載せれば、最もそのワインの個性を引き出し、美味しく表現できるかどうかと言う事に絞られます。 舌には甘・塩・酸・苦・渋・辛・旨それぞれを感知する場所が個人差はあるものの、帯状または点として絶妙に配置されています。舌は我々の大切なセンサーなのです。そしてその配置を把握することにより、ワインをより一層美味しく楽しめる訳です。つまりワインのタイプによってグラスを使い分ける事で、ワインを載せる位置と速度を変え、そのワインの良さを最高に引き出すという事です。
もちろん、温度と酸化の状態を最適にする事は言うまでもありません。 店主那須


ワインとグラスの関係(その1)

 先日リーデルジャパンのシニアワイングラスエデュケーターの庄司様をお迎えし、ワインとグラスのセミナーを弊店にて開催しました。大変好評で素晴らしい内容のものになりました。特にグラスの形状による香りと味わいの違いを二次元的に理解する方法に加え、舌の待ちうけ角度を加えた三次元の考察は、まさに目から鱗。数ミリの形状と僅かな頭部の角度のそれぞれの違いで、同じワインが全く別の体をなしてしまう。嗜好は別として、味臭覚における、ワインという液体の無限性に改めて驚かされました。 店主 那須


人物をワインに例える(その2)

 話題の人、浅田真央さんをワインに例えると、赤ワインの代表ボルドーの若いイメージです。奔放な明るさは、カベルネ・ソーヴィニョン、スランプにも負けない芯の強さはプティ・ヴェルド。そして少女のあどけなさの名残りはメルロ。 それぞれのブドウの比率は、一般より少しメルロが多いながらも、全体として良く調和のとれた素晴らしいワインを連想させます。 マルゴー村のChateau Palmer(シャトー パルメ)Vintageは1990年。香り高く気高さの中に親しみも感じられる女王と呼ぶにふさわしいワイン。また、その生まれ年は素晴らしいブドウの品質を象徴する年のひとつです。 そして、さらに、4年後には、間違いなくその隣りのシャトー、Chateau Margaux(シャトー マルゴー)1990を連想させてくれるに違いないと信じています。 店主 那須


人物をワインに例える(その1)

 上村愛子選手のヴァンクーヴァーは、メダルに関しては本当に残念でした。しかし、自分自身を信じて全力を出し切った彼女は素敵でした。決して目立ちたがり屋ではない彼女、繊細でありながら強い意思を秘めたその存在は、その笑顔とともにファンを魅了して止みません。
そんな彼女をワインに例えると・・・・・。フランスはブルゴーニュ産。コート・ドゥ・ニュイのモレイサンドニ村。繊細さと力強さを兼ね備えた、とりわけ魅惑的なグランクリュ、ボンヌ・マールが相応しいかと。そのワインが含む特徴的なミネラル(珪質土)は、まさに彼女が今回見せたスキーと同じキレ味を思わせます。ちなみに、彼女の生まれ年1979年は今最高の状態と思われますが、4年後の熟成にも期待したいものです。 店主 那須 


ふぐ(その4)

 グラスの形状によりワインの味わいを変える。このためには、先ず味わいの要素(五味)を理解した上で、甘・鹹(塩)・酸・苦・渋それぞれが舌のどの場所で最も感じられるのかを認識します。ふぐの白子に合わせて、トロミを出す為には、舌上の何処にワインを集中させれば良いのか? またそのことによって、感じ取れにくくなる味の要素も出てきます。なかなか難しいものです。答は弊店のフォアグラのポアレとワインの組み合わせでお試しあれ。
店主 那須


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