ワインは水(2)
ワインも水も液体には違いありません。そして、ワインもその70%以上が水であれば、見方を変えると、色と香りと味の付いた水の一種と言えます。
ずいぶん前になりますが、水のブラインドテイスティングを試したことがあります。ボルヴィック、エヴィアン、コントレックス、ヴァルヴェール、水道水。かなりの差があり、ほぼ見(味)分けがつきました。
しかし、この時、グラスに注いだものと、ペットから直接ラッパのみしたものとの違いに気づきました。それは「余韻の長さ」と「粒子の密度」でした。
この事をワインに試したのは、今から十年ほど前の事。グラスに上から注いだものと、静に壁を伝わせて注いだもの。
「若いワインはデキャンタに高い位置から注げば開きます」と先輩ソムリエの談があったが・・・・・。
ワインと比べてその他の構成要素の少ないミネラルウオーターですら・・・・・ましてワインとなれば・・・・・。
違いは歴然。小生は愕然、当たり前の事ながら、やはりワインは水と同じ液体に他ならないと確信した訳です。
後日この話をある日本酒醸造家にした際、「それは、当然です。私達も醸造用アルコールを使用する場合がありますが、購入して到着後、ひと月は静置しないと荒くて使えませんヨ」。
この言葉に、真に我が意を得たり、それから、ワインは静に注ぐに限ると決めました。 店主 那須